ねこちゃん旦那のトレード日記

日々のトレーディングと相場観につき書き連ねます

長期投資に異議あり

土曜日の日経新聞に某独立系投信会社の設立からのストーリーが本になっていましたので、感想を書きます。ずばり「うまい宣伝用のコピーだな」。

世間的には、長期投資=善、短期投資=悪という暗黙の前提があります。我々も現役の頃は、情報端末をたたくだけ損する(=短期的な株価の変動で売買すると振り落とされてしまう。一喜一憂せずに優良株を長期投資すべし)と教わりました。

これはある前提を置けば正しい。即ち、ある国が成長過程にあり、今後10年以上着実にGDPが成長していく国であれば、株は長期投資すべきです。

ではその国とはどこか。北朝鮮です。ジム・ロジャーズも同じ着眼点でした。北朝鮮の国情を勘案すると、ブラフをかましながら韓国との統一に向かっていくはずです。その時は未開の地が開かれ、勤勉な国民性とあいまって爆発的な成長を遂げるはずです。

翻って日本はどうか?高齢化が進み人口が減少していく国に対し、長期的に成長するとはとても思えません。海外に展開していく企業を長期投資する意味はあるでしょう。でもこの技術革新の著しい過程においては、10年後の成長を見渡せるほどクリアカットな企業を探すことは困難かと考えています。

アベノミクスは禁じ手により、株価の上昇と円安を実現しました。日銀内では蹂躙されたとの思いが強いのではないかと思います。確かにそこまではやらないだろう、という手段を取りました。しかしインフレ期待には全く火がついていないのはご存知の通りかと思います。

まあ他人の商売にケチをつける気もありませんので、長期投資を是とする方には良いかと思います。ただ美談調の内容はいかがなものかと。投資リテラシーの低い方向けの本です。