ねこちゃん旦那のトレード日記

日々のトレーディングと相場観につき書き連ねます

業界の秘密

レオス・キャピタルワークスの上場が延期になりました。主幹事であるみずほ証券が疑義を発し、ぎりぎりの状況でストップがかかりました。藤野社長は「法令違反など無い」と反論しています。内容まではもちろんわかりませんが、上場できない(責任が持てない)と主幹事証券が判断したことは重い事実です。

どこの会社にでも、どこの業種にでも「これは言ってはいけない」という「大人のお約束」があります。マグドナルドのハンバーグに猫の肉が使われているとか、都市伝説化した噂は笑い話にすぎませんが、洒落にならないというネタはいくつもあるもの。私が所属しているIT業界にももちろんあります。

運用業界の秘密というのも根が深いものがあります。ソフトバンク上場など好例で、機関投資家にはめ込めない玉を個人にはめ込んだ。機関投資家が買わないので公開日寄り値が公募価格を割り込んだ、なんていうことは、業界に精通していれば当然に予想できる話です。それを「配当利回りが高いです」とか言って買ってもらった。もちろん個人投資家は納得して買っているわけですから詐欺ではありません。市場の状況が良ければ買えなかった他の投資家が買い付いて初値は公募価格を上回ったかもしれません。

今は無くなったと思いますが、個人投資家は以前は犠牲になる側でした。事業会社の公募とか売出しで市場に株式が出回った後に、主幹事証券会社が系列の投資顧問会社や投信に玉をはめ込む、というのも一例。投信のパフォーマンスって株式市場が上昇のときでもなぜか上昇率が低かったりする。事業会社も株価が下がると困るので、主幹事証券とぐるになって良いニュースを出す。証券会社は高い引受手数料で主幹事を獲得して玉のはめ込みを行う。

最近大手証券会社の社員がインサイダーで捕まりましたが、機関投資家の営業マンがこっそり情報を持ってきて、ファンドマネージャーが乗る、ということも、どうですかね最近はコンプライアンスもうるさくなりましたが、1990年台はあったこと思います。生保の運用担当部長がIPOで家を立てたりしたことも公然の秘密ですね。半年先まで接待ゴルフが埋まっているような状況ですから。

この辺で辞めておきましょう。個人投資家は正々堂々と実力で儲ければよろしいかと。